国内旅行に出かけて何処から来ましたかと聞かれ「大垣から」「?」「岐阜県です」「??」と寂しい思いをさせられます。
関ヶ原合戦の関ヶ原はどなたもご存じのようです。
泉の水がお酒になったという孝子で知られ、日本名水百選に選ばれた養老も近隣にあります。
日本最大級、貯水量では日本一のロックフィルダム、徳山ダムで知られる揖斐川の豊富な伏流水が湧き出る大垣の名水や、市内をゆったり流れる水門川など水に恵まれた大垣は水の都と呼ばれてきました。
先代社長の父たちが昭和30年前半、箱根で開催の商業界ゼミナールに参加し、熱心な全国の茶店経営者の9人程で「双葉会」というお茶の勉強会を行っておりました。
お茶屋で夏に売れるものがないので何か考えようということで始めたのが抹茶アイスのグリーンソフトです。その頃はクーラーもなく夏には殆どお茶が飲まれない時代でした。
一番に始められたのは、和歌山の玉林園さんと聞いております。
50年近く経って各店の味もオリジナル性も加わって変わってきましたが、商標登録されておりますので、そのスタートメンバーの9店のみが「グリーンソフト」の名前を使えます。
後発茶店の抹茶ソフトに比べ歴史があるだけに味は飽きの来ないおいしさで、しかもお値打ちに販売されております。
すいぎょく園では昭和三十七年から販売を始めましたが、非常な大人気でした。
店の前に立って食べる人が多く混雑するので、困ってグリーンソフトを食べるところを作ろうと始めたのが、昭和三十八年に開店した「喫茶すいぎょく」です。
岐阜県大垣市はもともと「水都」と呼ばれ、2、3メートルも掘ればどこでも自噴水が湧き出す程。
天然の大垣の名水があってこそのすいぎょく園のグリーンソフトです。全国の数多いお客様からおいしさ一番とご好評、ご注文を頂いております。
赤ちゃんからお年寄りまで、あらゆる世代のお客様に愛されています。
若いお母さん方が「1、2歳の子供がアイスクリームと言えばグリーンソフトしか食べないから困ります」と言われながらもご来店下さるのは本当に有り難いことですし、私共の自信にもなります。
お茶を入れる場合もですが、水がいかに大切かを実感させられます。
海外では水を買って飲みますが、日本でこれほど水が売られ、関心を抱かれる時代が来るとは少し前まで考えもしませんでしたね。